真宗朝大事年表

【本年表は王瑞来著『宋代の皇帝権力と士大夫政治』（汲古書院、2001年）の附録である】

 

　　　　　　　　　　　凡　例

 

１、この年表は本書の内容に応じて、真宗朝の主要事件及び李��・王旦・寇準・王欽若・丁謂という五人の宰相の活動を中心として構成する。

２、年表は前表・本表・後表に分ける。 前表と後表には、真宗在位期間以外の関連事項を記した。

３、本表は、真宗即位の至道三年（９９７年）より崩御の乾興元年（１０２２年）までの重要な事項を収めたものである。

４、年表は年ごとに、執政集団の構成および当年の大事・宰相の活動の順に記した。

５、士大夫階層および官僚政治の形成を示すために、太祖朝から真宗朝までの科挙合格者人数も併記した。その人数は何忠礼氏『宋史選挙志補正』の附録１を参照した。

６、年表は主に『長編』『宋史』本紀により作成したものである。なお宋史提要編纂協力委員会編『宋代史年表』（北宋）も参照した。

 

　　　　　　　　　　　前　表

 

建隆元年（９６０）

　北宋建国。是歳、合格進士１９人、諸科未詳。

建隆二年（９６１）

  是歳、合格進士１１人、諸科未詳。

建隆三年（９６２）

　是歳、合格進士１５人、諸科未詳。

建隆四年（９６３）

  十一月、乾徳に改元す。是歳、合格進士８人、諸科未詳。

乾徳二年（９６４）

  是歳、合格進士８人、諸科未詳。

乾徳三年（９６５）

  是歳、合格進士７人、諸科未詳。

乾徳四年（９６６）

  是歳、合格進士６人、諸科未詳。

乾徳五年（９６７）

  是歳、合格進士１０人、諸科未詳。

開宝元年（９６８）

  是歳、合格進士１１人、諸科未詳。

開宝二年（９６９）

  是歳、合格進士７人、諸科未詳。

開宝三年（９７０）

  是歳、合格進士１５人、諸科未詳、特奏名１０６人。

開宝四年（９７１）

  是歳、合格進士１０人、諸科未詳。

開宝五年（９７２）

  是歳、合格進士１１人、合格諸科１７人。

開宝六年（９７３）

  是歳、合格進士２６人、諸科１０１人。

開宝八年（９７５）

  是歳、合格進士３１人、諸科３４人。

開宝九年・太平興国元年（９７６）

　太祖没す。太宗改元即位す。

太平興国二年（９７７）

　是歳、合格進士１０９人、諸科２０７人、特奏名１９１人。

太平興国三年（９７８）

　是歳、合格進士７４人、諸科７０人。

太平興国五年（９８０）

　是歳、合格進士１２１人、諸科５３３人。李��・王旦・寇準進士に及第す。三人はそれ　ぞれ三十三歳、二十三歳、十九歳。また向敏中・張詠も是科進士に及第す。

太平興国八年（９８３）

　是歳、合格進士２２９人、諸科６３３人。

雍煕二年（９８５）

  是歳、合格進士２５５人、諸科６２０人。

端拱元年（９８８）

  是歳、合格進士１６０人、諸科８１０人。

端拱二年（９８９）

  是歳、合格進士１８６人、諸科４７８人。

淳化二年（９９１）

  四月、寇準枢密副使となる。九月、李��参知政事となり、寇準同知枢密院事となる。

淳化三年（９９２）

　是歳、合格進士３５３人、諸科９６４人。王欽若・丁謂進士に及第す。それぞれ三十歳、二十六歳。

淳化四年（９９３）

　六月、寇準同知枢密院事を罷む。十月、李��参知政事を罷む。

淳化五年（９９４）

　九月、襄王元侃開封府尹・寿王となる。寇準参知政事となる。

至道元年（９９５）

　八月、寿王元侃、恆と改名し皇太子となり、判開封府を兼ぬ。礼部侍郎李��太子賓客を　兼ぬ。

至道二年（９９６）

　寇準参知政事を罷む。

 

　　　　　　　　　　本　表

 

至道三年（９９７）

　中書に、宰相：呂端。参知政事：李昌齢・温仲舒・王化基・李至・李��

　枢密院に、枢密使：曹彬。知枢密院事：趙鎔。枢密副使：夏侯?。同知枢密院事：李惟　　　　　清・銭若水・向敏中　　　　　　  

　三月、太宗没す。真宗即位す。四月、尚書左丞太子賓客李至・礼部侍郎太子賓客李��参知政事となる。企てで廃された楚王元佐を擁立する兵部侍郎・知制誥・史館修撰胡旦、安遠節度行軍司馬を責授さる。塩鉄・度支・戸部副使を罷む。五月、直言を求む。両制に豊盈の術を議して以聞せしむ。参知政事李昌齢、忠武節度行軍司馬を責授され、宣政使・桂州観察使王継恩、右監門衛将軍を責授し、均州安置とさる。尚、安遠節度行軍司馬胡旦、籍を削り、潯州に流さる。宮人給事の歳久しき者を放つ。六月、?王廷美に西京留守兼中書令秦王を追復す。魏王徳昭に太傅、岐王徳芳に太保を贈る。大行皇帝に神功聖徳文武皇帝と諡し、廟号を太宗となす。詔して孔子の嫡孫を訪ねしむ。祥瑞を献ずるを罷む。同知枢密院事銭若水、辞任し、集賢院学士となる。銭若水、真宗に「宜しく大事を任ずべき」と王旦を推薦し、真宗、「此れ固より朕の心に属する所なり」と言う。八月、知枢密院事趙鎔・同知枢密院事李惟清を罷む。曹彬、枢密使となる。同知枢密院事向敏中・給事中夏侯?、枢密副使を進む。曹彬、左相を兼ぬ。九月、孔子四十五世の孫、延世を以て曲阜県令となし文宣公に襲封す。十一月、工部侍郎銭若水をして『太宗実録』を修せしむ。

　是歳、始めて定めて十五路（京東路・京西路・河北路・河東路・陜西路・淮南路・江南路・荊湖南路・荊湖北路・両浙路・福建路・西川路・峽路・広南東路・広南西路）となす。

　王旦、中書舎人を拝す。後に翰林学士兼知審官院・通進銀台封駁司とす。

　寇準、工部侍郎・知�ｹ州。

　王欽若、太常丞・判三司都催欠憑由司。

　丁謂、福建転運使。

 

咸平元年（９９８）

　中書に、宰相：呂端・張斉賢・李��。参知政事：李至・温仲舒・王化基・向敏中

  枢密院に、枢密使：曹彬。枢密副使：夏侯?・楊礪・宋�G

　正月、改元す。宰相呂端の第で近臣に歳節の宴を賜い例となす。二月、礼部貢院に令し考試の畢日に合格者の姓名を録して以聞せしむ。直言を求む。三月、進士孫僅等に宴を瓊林に賜う。六月、近臣に常参官の転運使に堪うる者を挙げしむ。知州軍・通判をして管内の京朝幕職州県官の勤績実状を具して擢任せしむ。八月、銭若水等、『太宗実録』八十巻。九月、呂端、銭若水に『太祖実録』を重修せしむ。十月、宰相呂端、疾で罷め、太子太保となる。戸部尚書張斉賢・参知政事李��、平章事（宰相）となる。参知政事李至、疾で罷む。参知政事温仲舒罷む。枢密副使夏侯?を罷む。枢密副使向敏中、参知政事となる。翰林学士楊礪・宋�G、枢密副使となる。修太祖実録官銭若水等に命じて開封府得解の進士試巻の故事を覆考せしむ。十一月、歴代帝王の陵廟を葺す。　

　是歳、王旦、翰林学士・中書舎人。

　寇準、知�ｹ州より知河陽軍に移す。

　王欽若、判三司都催欠憑由司より右正言・知制誥・判大理寺となる。

　丁謂、福建転運使。

　合格進士５１人、諸科１５０人。

 

咸平二年（９９９）

　中書に、宰相：張斉賢・李��。参知政事：王化基・向敏中

  枢密院に、枢密使：曹彬・王顕。枢密副使：楊礪・宋�G

　正月、尚書丞郎・給舎に升朝官の大郡を守るべき者、各々一人を挙げしむ。礼部尚書温仲舒等に命じて考試せしめ、巻首を封印して当日入院せしむ。三月、挙任多きを以て進士・諸科の人員を増す。荊湖南路に転運使を置く。閏三月、不急の営繕を罷む。中外の臣より直言極諫を求む。五月、三挙の貢挙人は今歳は取解を免じ自余は例に依りて挙送せしむ。服用の制を厳にす。六月、宰臣、『重修太祖実録』を進む。枢密使曹彬没す。秘書省正字邵煥に令して秘閣にて読書せしむ。七月、横海軍節度使王顕、枢密使となる。翰林侍読学士を置き、兵部侍郎楊徽之となす。翰林侍講学士を置き、国子祭酒??之とす。八月、真宗に崇文廣武聖明仁孝皇帝の尊号を上す。枢密副使楊礪没す。九月、杭州・明州に市舶司を置き蕃客の便に従うを聴す。十一月、李��を東京留守となる。十二月、真宗、契丹を親征す。

　是歳、王旦、翰林学士・中書舎人。

　寇準、知河陽軍より知同州に移す。

　王欽若、判三司都催欠憑由司より右正言・知制誥・判大理寺とす。

  丁謂、戸部判官・太常博士を以て峽路に至り、公事を体量し、続いて工部侍郎に遷し、峽路転運使とし、?州路転運使を改める。

　合格進士７０人、諸科１７４人。

 

咸平三年（１０００）

  中書に、宰相：張斉賢・李��。参知政事：王化基・向敏中

  枢密院に、枢密使：王顕。知枢密院事周瑩・王継英。同知枢密院事：王旦。枢密副使：宋�G

  正月、益州に兵変あり、趙延順、益州�ﾂ轄鳳州団練使符昭寿を撃殺し、都虞候王均を奉じて主となす。王均、漢州を陥す。契丹、河間を犯す。枢密副使宋�G没す。二月、枢密使王顕を罷む。周瑩・王継英、知枢密院事となる。王旦、同知枢密院事となる。三月、礼部をして合格の挙人で権要の親族ある者を具名以聞せしむ。真宗、崇政殿に御し礼部貢挙の人を試す。四月、呂端没す。自今、幕職官の任半年に到る者は長吏・通判に令して能否を具して以聞せしむ。両制館閣に命じて武挙の武選人入官資序の故事を詳定せしむ。自今、両京諸路の所解挙人は宜しく先に行実・芸文を察訪せしむ。五月、寇準、知同州より知鳳翔府に移す。六月、参知政事向敏中、河北河東宣撫使となる。八月、翰林学士承旨宋白等、内外官の称呼を重定して上る。九月、直秘閣杜鎬等に命じて司天台官吏の優劣を較第以聞せしむ。相国寺僧法仙は鉄輪?、神衛水軍隊長唐福は火箭・火毬・火?藜、造船務匠項綰は転海戦船式をそれぞれ献じて緡銭を賜わす。十月、翰林学士承旨宋白等に命じて『続通典』を修せしむ。雷有終、王均を富順監に斬る。翰林学士王欽若、川峽安撫使となる。十一月、宰臣・参知政事は旧に依り中書大門より入り逐庁に至りて下馬することを許す。常参官の転対は故事の如くし、次対に預らざるものは封事以聞せしむ。宰相張斉賢、朝会失儀で罷む。

　是歳、丁謂、?州路転運使。

  合格進士４２７人、諸科７７７人、特奏名９５７人。

 

咸平四年（１００１）

  中書に、宰相：李��・呂蒙正・向敏中。参知政事：王化基・王旦・王欽若

  枢密院に、知枢密院事周瑩・王継英。同知枢密院事：馮拯・陳堯叟。

　正月、枢密直学士馮拯・陳堯叟に命じて中外の封事を詳せしむ。宗正卿趙安易・翰林学士梁周翰、『新修属籍』三十三巻を上る。二月、群臣の子弟の京官に奏補せらる者に一経を試す。学士・両省・御史台五品・尚書省諸司四品以上に令して内外京朝幕職州県及び草澤中より賢良方正直言敢諫一人を挙げしむ。三月、呂蒙正・向敏中、宰相となる。王化基、参知政事を罷む。同知枢密院事王旦、参知政事となる。馮拯・陳堯叟、同知枢密院事となる。四月、翰林学士王欽若、参知政事となる。制科挙人を御試す。五月、封駁の任を門下封駁司に帰し銀台司に隷す。六月、有司、天下の冗吏凡そ十九万五千余人を減ぜんことを上言す。八月、制科挙人を御試す。諸路の転運使をして十年毎に各々本路図一を画き上せしむ。真宗、宰相と中書において社宴す。九月、西夏李継遷、清遠軍を陥す。翰林学士承旨宋白等、『新修続通典』二百巻を上る。国子祭酒??等、『周礼』『儀礼』『公羊伝』『穀梁伝』の『正義』を校訂し、一六五巻を上る。

　是歳、寇準、知鳳翔府。

　丁謂、?州路転運使。

 

咸平五年（１００２）

  中書に、宰相：李��・呂蒙正・向敏中。参知政事：王旦・王欽若

  枢密院に、知枢密院事周瑩・王継英。同知枢密院事：馮拯・陳堯叟。

　正月、翰林侍講学士??、『左氏春秋』を講ず。三月、李継遷、霊州を陥す。王欽若の賄賂事件により、権知貢挙・比部員外郎洪湛を?州に流し、王旦の岳父である御史中丞趙昌言に安遠軍司馬を責授す。礼部の挙人を御試す。四月、御史台・大理寺に欠員あらば、両省五品以上に令して保挙以聞せしむ。三司にして歳ごとに戸口を較せしむ。五月、文武官の七十以上の退を求むる者の致仕を許す。河北の冗官を減ず。天下の逋負を?く。刑部侍郎寇準、権知開封府となる。六月、周瑩、知枢密院事を罷む。七月、真宗、啓聖院・太平興国寺・上清宮に幸し雨霽を祷る。行幸する毎に翰林学士・侍読・侍講・枢密直学士を従わしむ。中書取索の詔勅草本はまず実封して中書に送り看詳定写して進むこととす。九月、冀州団練使石普のつくる火毬・火箭を試す。十月、向敏中、違詔で宰相を罷む。十二月、宰臣呂蒙正・李��、門下侍郎を並びに兼ぬ。

　是歳、丁謂、?州路転運使。

  合格進士３８人、諸科１８０人。王曾、是科壮元。

 

咸平六年（１００３）

　中書に、宰相：李��・呂蒙正。参知政事：王旦・王欽若

  枢密院に、知枢密院事：王継英。同知枢密院事：馮拯・陳堯叟。　

　四月、契丹来侵す。六月、権知開封府寇準、三司使となし、塩鉄・度支・戸部副使を復す。九月、呂蒙正、疾で宰相を罷む。

  是歳、丁謂、?州路転運使。

 

景徳元年（１００４）

　中書に、宰相：李��・畢士安・寇準。参知政事：王旦・王欽若

  枢密院に、枢密使：王継英。簽書枢密院事：馮拯・陳堯叟。

　正月、大赦し、改元す。民間の天象の器物・讖候の禁書は並びに所司に納めてこれを焚き、匿して言わざる者死刑とす。二月、?州路転運使丁謂を召し、朝に入り、権三司塩鉄副使となる。知制誥・判吏部流内銓に遷す。寇準、屡々李��に丁謂を推薦するも、用いず。三月、万安皇太后没す。李��等、西北辺の軍興を以て聴政を力請するにより、真宗之に従う。五月、中国人の外蕃進奉使に従って出境するを禁ず。六月、諸路転運使は代還の日、在任中の利害を興除せること、能否を升黜せること、凡そ経画する所のことを悉く上聞せしむ。七月、李��没す。翰林侍読学士畢士安、参知政事となる。八月、畢士安・寇準、宰相となる。王継英、枢密使となる。馮拯・陳堯叟、簽書枢密院事となる。常参官二人をして、州県官の幕蜀に任ずべき者一人を挙げしむ。九月、文武官の藩郡に任ずべき者各々一人を挙げしむ。閏九月、契丹、宋を侵す。親征を議する。王欽若、参知政事で判天雄軍となる。契丹大帥撻覧・契丹主及びその母、定州を攻むるも、宋兵は唐河にて拒ぎ契丹は陽城淀に駐す。十月、知制誥丁謂、知?州兼斉・濮等州安撫使となる。十一月、真宗親征す。車駕北巡するも、司天は天象により戦わずして退くべきを上言す。契丹兵、?州北直に至り前軍の西陣を犯す、撻覧戦死す。真宗、?州に次り、黄河を渡り北砦御城北楼に幸し、諸将軍を召して撫慰す。曹利用、契丹に使して還る。十二月、契丹使韓杞来たりて和を講ず。王旦、参知政事で権東京留守となる。契丹使丁振、誓書をもたらす。宋、年に絹二十万匹・銀十万両を契丹に送る条件で、平和誓約という?淵の盟を結ぶ。契丹の兵出塞す。

 

景徳二年（１００５）

　中書に、宰相：畢士安・寇準。参知政事：王旦・馮拯・王欽若

  枢密院に、枢密使：王継英。簽書枢密院事：陳堯叟。

　正月、契丹との講和により大赦す。河北戍兵の十分の五、縁辺戍兵の三分の一を省く。四月、王欽若、参知政事を罷み、資政殿学士となる。馮拯、簽書枢密院事より参知政事となる。丁謂、知制誥より権三司使事となる。五月、真宗、国子監に幸す。六月、詔して学を勧む。七月、賢良方正直言極諫等の六科を復す。八月、有司、新定の権衡法を上る。九月、丁謂等、『三司新編勅』を上る。十月、丁謂、『景徳農田勅』を上る。畢士安没す。十一月、翰林侍講学士??等に、学官となすに堪うる者十人を挙げしむ。天地を圜丘に祀り大赦す。十二月、資政殿大学士を置き王欽若を任ず。

　是歳、王欽若・楊億等に『新編修君臣事跡』を編修せしむ。

　合格進士３９３人、諸科１２６８人、特奏名１３８８人。

 

景徳三年（１００６）

　中書に、宰相：寇準・王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、枢密使：王継英。知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：韓崇訓・馬　　知節。

　二月、枢密使王継英没す。寇準、宰相を罷む。王旦、宰相となる。王欽若・陳堯叟、知枢密院事となる。趙安仁、参知政事となる。韓崇訓・馬知節、簽書枢密院事となる。三月、寇準、知陜州に行く。七月、林特、茶法更改す。九月、賢良方正直言極諫に御試す。

 

景徳四年（１００７）

　中書に、宰相：王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：韓崇訓・馬知節。

　 正月、丁謂、随駕三司使となる。真宗、諸陵に詣る。二月、真宗、西京に幸す。寇準、朝見す。四月、皇后郭氏没す。六月、翰林講読枢密直学士に令して、各々常参官一人を挙げ御史に充てしむ。七月、丁謂、景徳三年新収戸三三二九九八、流移者四一五〇なることを上言す。八月、王旦・楊億をして、太祖・太宗史を修せしむ。丁謂、『景徳会計録』を上る。簽書枢密院事韓崇訓、疾で罷む。十月、考試進士新格を分かつ。翰林学士晁迥等に、常参官の大藩を知すべき者二人を挙げしむ。十一月、殿中侍御史趙湘、封禅を請うことを上言す。王欽若も封禅の議を上す。真宗、真珠を以て、封禅に反対する王旦に賄賂を行う。十二月、諸州の祥瑞を以て来貢するを許す。諸路上る所の軍儲の数は、自今先ず枢密院に下して籍記し中書に送らしむ。

　是歳、諸路豊稔、淮蔡の間に、麦は斗に十銭、粳米は斛に二百銭なり。寇準、知陜州。

 

大中祥符元年（１００８）

　中書に、宰相：王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：馬知節。

　正月、天書降る。大赦し、改元す。三月、文武官・将校・蛮夷・耆寿・僧道二万四千三百七十余人、闕に詣りて封禅を請う。四月、十月に泰山に事有るを以て、官を遣わし天地宗廟嶽?諸祠に告せしむ。丁謂に泰山路糧草を計度せしむ。王欽若を泰山封禅経度制置使となる。王旦を封禅大礼使となる。皇城の西北天波門外に昭応宮をつくり天書を奉ぜしむ。五月、丁謂、天書扶持使となる。六月、天書再び泰山に降る。群臣表して尊号を上し、崇文広武儀天尊道宝応章感聖明仁孝皇帝という。七月、襄・許・荊南・?・帰等州の米は、斛に銭三百、麦は斗に銭十二なり。九月、京東西・河北・河東・江淮・両浙・荊湖・福建・広南路豊作、米は斗に銭七八十。十月、真宗、泰山に封禅を行う。寇準、祀に従う。一一月、真宗、曲阜県に幸して、文宣王廟に謁す。天書の降る日を天慶節とし、京師上清宮に道場をたつ。十二月、寇準、知陜州より知天雄軍に徙る。

　是歳、天下の戸七九〇八五五五・口一七八〇三四〇一。

　合格進士２０７人、諸科３２０人。

 

大中祥符二年（１００９）

　中書に、宰相：王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：馬知節。

　正月、浚儀県を祥符県と改む。天下の宮観は各々道士一人を度し、寺院の僧尼百人に満つるは二人を度す。二月、曲阜県に孔子廟学舎を立つ。丁謂、三司使となる。四月、丁謂を修昭応宮使となす。服勤・詞学・経明・行修・国監生を試す。五月、孔子の弟子七十二人を追封す。天書、泰山に降る日を天?節とし、道場をたて?を設けしむ。六月、幕職州県官に招集戸口賞条をわかつ。七月、張齊賢等に各々才の御史に堪うる者一人を挙げしむ。八月、道士十人を選び道蔵を校訂せしむ。十月、天下に天慶観を置く。十一月、文武の七条を作り官吏を戒む。十二月、丁謂は封禅朝覲祥瑞図を上る。

  是歳、寇準、知天雄軍。天下の戸八四〇二五三七。

  合格進士３１人、諸科５４人。

 

大中祥符三年（１０１０）

　中書に、宰相：王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：馬知節。

　正月、両京諸路宮観、道士十人ごとに一人を度す。二月、丁謂の請により承天節に屠宰の刑罰を禁ず。三月、天書殿に屡々祥異あり、王旦等天子の至誠奉天の感応と奏す。八月、明年春には汾陰に事有り。王旦は祀汾陰大礼使、王欽若は礼儀使となる。九月、真宗、宗室の座右銘を作りて諸王に賜う。十月、丁謂等、『大中祥符封禅記』を上る。十二月、丁謂を行在三司使と為す。翰林学士李宗諤等、諸道図経を上る。

  是歳、寇準、知天雄軍。

 

大中祥符四年（１０１１）

　中書に、宰相：王旦。参知政事：馮拯・趙安仁。

  枢密院に、知枢密院事：王欽若・陳堯叟。簽書枢密院事：馬知節。

　正月、天書を石に刻して玉清昭応宮宝符閣に置かしむ。六月六日の天書再降の日を天?節となす。真宗、天書を奉じて祀汾陰に行く。二月、后土地祗を祀る。五月、州城に孔子廟を置く。七月、馮拯は参知政事を罷む。八月、三司使丁謂は「恐らく有司の経費を給せず」と言う。九月、真宗、太乙宮に幸し晴を祈る。十二月、三礼三伝科は自今、各々一場を減じ、五通を以て合格とす。京城の穀貴により、恵民の稟粟を賤糶す。

  是歳、寇準、知天雄軍。天下の戸一三三一一二・口五四一四一九。

 合格進士３１人、諸科５０人。

 

大中祥符五年（１０１２）

　中書に、宰相：王旦・向敏中。参知政事：趙安仁・丁謂。

  枢密院に、枢密使：王欽若・陳堯叟。枢密副使：馬知節。

　四月、向敏中は宰相となる。六月、常参官をして幕職州県官を挙げ京官に充てしむ。九月、王欽若・陳堯叟は枢密使となる。趙安仁は参知政事を罷む。丁謂は参知政事となる。十月、真宗、延恩殿道場に九天司命天尊の降るを瞻る。閏十月、天尊に聖祖上霊高道九天司命保生天尊大帝の号を上る。天尊趙玄朗の名を斥犯することを禁ず。天慶観に聖祖殿に増置す。十一月、王旦を玉清昭応宮使と為す。十二月、景霊宮を作る。獄空なるにより知天雄軍寇準を奨す。徳妃劉氏を立てて皇后とす。

  是歳、合格進士１２６人、諸科３７７人。

 

大中祥符六年（１０１３）

　中書に、宰相：王旦・向敏中。参知政事：丁謂。

  枢密院に、枢密使：王欽若・陳堯叟。枢密副使：馬知節。

　正月、配隷法十二条を減ず。辺防・軍旅・茶塩酒税等の刑名を更定するに、中書枢密院をして参詳施行せしむ。内臣の出使して民政を預るを禁ず。三月、建安軍にて玉皇・聖祖・太祖・太宗を鋳て成るにより、丁謂を迎奉使となす。八月、来春の亳州太清宮に親謁するにより、丁謂を判亳州・奉祀経度制置使となす。老子に太上老君混元上徳皇帝を加号す。王欽若等、『新編修君臣事跡』一千巻を上し、真宗序を親製し『冊府元亀』を賜名す。丁謂、『新修祀汾陰記』五十巻を上る。十二月、寇準は権東京留守となる。

 

大中祥符七年（１０１４）

　中書に、宰相：王旦・向敏中。参知政事：丁謂。

  枢密院に、枢密使：王欽若・陳堯叟・寇準。枢密副使：馬知節・王嗣宗・曹利用。

　正月、車駕、天書を奉じて京師を発す。王旦、混元上徳皇帝の宝冊を上る。亳州太清宮に朝謁する。亳州を升して集慶軍節度とし、歳賦の十分の二を減ず。判亳州丁謂は白鹿一・芝草九万五千本を献ずる。二月、丁謂は参知政事を以て判礼儀院となす。五月、王旦を?州景霊宮朝修使・天書刻玉使となす。 六月、王欽若・陳堯叟は枢密使を罷む。馬知節は枢密副使を罷む。寇準は枢密使となる。七月、王嗣宗・曹利用、枢密副使となる。十二月、王欽若等五人に詔し、各々京朝幕職州県官の刑典を詳練し、時務に暁にして辺寄に任うる者二人を挙げしむ。

　是歳、天下の戸九〇五五七二九・口二一九七六九六五。

  合格進士２１人、諸科２１人。

 

大中祥符八年（１０１５）

　中書に、宰相：王旦・向敏中。参知政事：丁謂。

  枢密院に、枢密使：寇準・王欽若・陳堯叟。枢密副使：王嗣宗・曹利用。

　正月、文武官の三歳に満つる者は有司、考課して以聞せしむ。王欽若に命じて『羅天?儀』十巻を詳定せしむ。王欽若等に供奉官至殿直の武幹有る者一人を挙げしむ。二月、交鈔価、富民に抑せられて暴落す。進士六挙・諸科九挙なる者は奏名を許す。四月、寇準は枢密使を罷む。王欽若・陳堯叟は並びに枢密使となる。榮王元儼の宮に火災あり、延焼して殿閣内庫に及ぶ。丁謂を大内修葺使となす。五月、寇準は知河南府兼西京留守事となる。宮人一八四人を放つ。閏六月、刑部尚書馮拯等をして三司とともに茶法を詳定せしむ。王欽若、『?管懿範』を上す。七月、王欽若、趙氏神仙の事跡四十人を景霊宮の廟に画く。宮城に火災あるにより、諸王に詔して宮を外に徙さしむ。王嗣宗は枢密副使を罷む。十月、王欽若、『聖祖事跡』十二巻を上し、真宗、序を作り、『先天記』と賜名す。

　是歳、天下の戸口財賦、戸八四二二四〇三・口一八八八一九三〇・両税銭帛糧斛二二七六四一三三・糸綿鞋草二二八三六六三六・茶塩酒税?利金銀二八〇〇二〇〇〇。

  合格進士２０３人、諸科６５人、特奏名１５０人。范仲淹、是科進士。

 

大中祥符九年（１０１６）

　中書に、宰相：王旦・向敏中。参知政事：丁謂・陳彭年・王曾・張知白。

  枢密院に、枢密使：王欽若・陳堯叟。枢密副使：曹利用・張旻・任中正。

　正月、会霊観使を置き丁謂を任じ刑部尚書を加う。張旻は枢密副使となる。二月、丁謂、新法茶法の成効を論ず。王旦等、『両朝国史』を上す。知河南府寇準、判永興軍に徙る。三月、王欽若、『新校道蔵経』を上し、真宗、目録を賜り『宝文統録』と名づく。挙観には必ず廉能を択ばしむ。修玉牒官を置く。八月、陳堯叟は疾を以て枢密使を罷む。九月、丁謂は参知政事を罷め、知昇州となる。陳彭年・王曾・張知白は参知政事となる。任中正は枢密副使となる。民の私廩を出して貧乏を振する者にして三千石より八千石に至るは助教・文学・上佐を第授す。益修の穀貴により、官廩を発きて賑恤す。十月、王欽若『翊聖保徳真君伝』三巻を上す。十一月、来年、元を改めて天禧という。

 

天禧元年（１０１７）

　中書に、宰相：王旦・向敏中・王欽若。参知政事：陳彭年・王曾・張知白・李迪。

  枢密院に、知枢密院事：馬知節。枢密副使：張旻。同知枢密院事：曹利用・任中正・周　　　　　　起。

　正月、改元す。天書を奉じて、天地を合祭し天下に大赦す。天書を宣読する礼を行い、王欽若を天書宣読使とす。四月旦日を天禎節とす。京東西・河北・陜西・淮南・江浙の災傷州軍に令し、?務の酒糟を出して貧民を済せしむ。王旦、?州太極観奉上冊宝使となる。二月、陜西の交引暴落せるにより、官銭を出して収市す。諫官・御史各六員を置き、毎月一員事を奏し、急務有らば非時の入対を聴す。参知政事陳彭年没す。三月、王欽若、会霊観使となる。五月、王旦を太尉侍中とし五日に一たび中書に入らしむも、旦、懇辞して拝せず。七月、王旦は疾を以て宰相を罷む。八月、王欽若は宰相となる。張旻は枢密副使を罷む。九月、王曾は参知政事を罷む。李迪は参知政事となる。馬知節は知枢密院事となる。曹利用・任中正・周起は並びに同知枢密院事となる。王旦没す。十一月、江南諸県の五千戸以上なるは、自今、京朝官を遣わす。選人の本貫の江南・両浙・福建なる者は、本郷を去ること三百里外の注官を許す。十二月、五嶽の帝号を玉に刻し、会霊観使王欽若に令し本殿に奉安せしむ。

　是歳、寇準は判永興軍。丁謂は知昇州。

 

天禧二年（１０１８）

　中書に、宰相：向敏中・王欽若。参知政事：張知白・李迪。

  枢密院に、知枢密院事：馬知節・曹利用。同知枢密院事：任中正・周起。

　正月、諫官の月俸は実銭を給す。王欽若等、『天禧大礼記』四十巻を上す。二月、近臣に、常参官の御史に任ずるに堪うる者を挙げしむ。右正言劉�Uの請により、自今言事には升殿を許す。閏四月、戸部尚書馮拯等をして幕職令録の京官に充つるに堪うる者各々二人を挙げしむ。馬知節は疾を以て知枢密院事を罷む。五月、西京訛言う、妖帽の如きもの夜蜚ぶと、民甚だ恐る。六月、曹利用は知枢密院事となる。訛言の帽妖、京師に至り、民は夜叫譟して曙に達す、詔して嘗て邪法をなすの人耿概等を捕えて棄市す。七月、星変により天下に大赦す。八月、皇子昇王を立てて皇太子とし、天下に大赦す。李迪に太子賓客を兼ねしむ。九月、皇太子を冊す。十二月、張知白は参知政事を罷む。

  是歳、寇準は判永興軍。丁謂は知昇州。

 

天禧三年（１０１９）

　中書に、宰相：向敏中・王欽若・寇準。参知政事：李迪。

  枢密院に、枢密使：曹利用・丁謂。枢密副使：任中正・周起。

　二月、王欽若、『会霊志』一百巻を上し、真宗、序をつくり『五岳広聞記』と名づく。三月、寇準は天書の乾祐山に降るを奏す。四月、天書を大内に尊迎す。六月、王欽若は宰相を罷む。寇準は宰相となる。丁謂は参知政事となる。七月、群臣、表して尊号を上し、体元御極感天尊道応真宝運文徳武功上聖欽明仁孝皇帝という。八月、天書再降せしを以て大赦す。十一月、天地を圜丘に祀り大赦す。十二月、丁謂・曹利用は枢密使となる。任中正・周起は枢密副使となる。

　是歳、天下の戸八五四五二七六・口一九四七一五五六。

  合格進士１６２人、諸科１５４人、特奏名１０５人。

 

天禧四年（１０２０）

　中書に、宰相：向敏中・寇準・李迪・丁謂・馮拯。参知政事：任中正・王曾。

  枢密院に、枢密使：曹利用。枢密副使：周起・銭惟演。簽書枢密院事：曹?

　正月、曹?は簽書枢密院事となる。諸民の田産要契を偽立し、衣冠形勢戸に託して庇役せる者は、百日を限りて自首せしめ戸を改めて税を輸せしむ。諸路提点刑獄を改めて勧農使副使となし、提点刑獄公事を兼ねしめ、凡そ農田一事已上は悉く領せしむ。御製『釈典法音集箋注』三十巻を入蔵す。二月、滑州にて決潰せる黄河を塞す。参知政事李迪等、『一州一県新編勅』三十巻を上る。三月、向敏中没す。四月、江南転運使を分かちて東西路となす。『四時纂要』『齊民要術』を雕印して諸道勧農司に付す。五月、寇準は劉皇后の兄劉美を弾劾す。六月、寇準は宰相を罷め、太子太傅莱国公となる。七月、李迪・丁謂は宰相となる。馮拯は枢密使となる。入内副都知周懐政、誅に伏す。寇準は太常卿を降授され、知相州を左遷せらる。翰林学士盛度・枢密直学士王曙は職を罷めらる。八月、永興軍都巡検使朱能、中使を殺して叛す。任中正・王曾は参知政事となる。銭惟演は枢密副使となる。朱能自殺す。寇準は知安州に徙り、継いで道州司馬に貶さる。九月、近臣張知白・晁迥・楽黄目等を分遣し各々常参官を、諸路転運・勧農使をして各々京官知県に堪うる者二人を、知制誥・知雑御使・直龍図閣をして各々御史に堪うる者一人を挙げしむ。朱能の党を治めて死流者数十人とす。王欽若の請により、江淮制置使は民船を雇するを罷め、江浙・淮南は権りに和糴を罷め商旅の入中を聴す。周起は枢密副使を罷む。曹?は簽書枢密院事を罷む。十月、王欽若、資政殿大学士となる。十一月、勧農使に提点刑獄官を兼ねしめ、自今、提点刑獄勧農使副と称す。丁謂・李迪は真宗の前に忿争す。丁謂は宰相を罷め、知河南府となり、李迪は宰相を罷め、知?州となる。継いで丁謂をして、中書に赴いて視事すること故の如くせしむ。馮拯は宰相となる。自今、軍国の大事を旧に依りて親決するを除き、余は皆皇太子・宰相・枢密使等の参議に委ねて之を行わしめ、太子は上表して陳譲するも允さず。丁謂に太子太師、馮拯に少傅、曹利用に少保を兼ねしむ。十二月、王欽若に司空を加う。継いで王欽若、判河南府となる。楊億没す。閏十二月、真宗、不豫にして重疾なり、承明殿に御し手書を宰相に賜い、諭すに儲弐を輔導するの意を以てす。

　是歳、天下の戸九七一六七一二・口二二七一七二七二。

        

天禧五年（１０２１）

　中書に、宰相：丁謂・馮拯。参知政事：任中正・王曾。

  枢密院に、枢密使：曹利用。枢密副使：銭惟演・張士遜。

　正月、真宗の疾愈し、啓聖院に出幸す。張士遜は枢密副使となる。二月、審刑院、天下に断獄無しと上言す。三月、丁謂に司空、馮拯に左僕射、曹利用に右僕射を加え、任中正は工部尚書となる。五月、陜西の交引益々賤しきにより、内蔵庫の銭五十万貫を出し、市して之を毀たしむ。十一月、王欽若は擅に闕を赴くに坐し、司農卿に降し南京に分司さる。

  是歳、天下の戸八六七七六七七・口一三九三〇三二〇。

 

乾興元年（１０２２）

  中書に、宰相：丁謂・馮拯・王曾。参知政事：任中正・呂夷簡・魯宗道。

  枢密院に、枢密使：曹利用・銭惟演。枢密副使：張士遜・張知白。

　正月、改元す。真宗、病のため道士に命じて天安殿に道場を立てしむ。二月、天下大赦す。尊号を上し、応天尊道欽明仁孝皇帝という。制封し、丁謂は晋国公、馮拯は魏国公、曹利用は韓国公となる。宰相と寝殿に対す、真宗、不豫にして劇を増す。真宗、延慶殿に没す。皇太子は柩前にて皇帝位に即き、皇后を尊んで皇太后となし、権りに軍国の事を処分し、淑妃を皇太妃となす。三月、山陵都監雷允恭丁謂を山陵使とす。寇準を雷州司戸参軍に貶し、李迪を衡州団練副使に貶す。三月、山陵都監雷允恭、山陵を擅移す。六月、雷允恭、誅に伏す。丁謂は宰相を罷め、西京に分司さる。任中正は丁謂を救うに坐し、参知政事を罷む。七月王曾は宰相となる。銭惟演は枢密使となる。呂夷簡・魯宗道は参知政事となる。丁謂は崖州司戸に貶さる。十月、真宗を永定陵に葬る。天書を従葬す。十一月、銭惟演は枢密使を罷む。張知白は枢密副使となる。

 

　　　　　　　　　　　　後　表

 

天聖元年（１０２３）

　九月、王欽若は宰相となる。閏九月、寇準は雷州に没す。

天聖二年（１０２４）

　三月、王欽若、『真宗実録』を上す。

天聖三年（１０２５）

　十一月、宰相王欽若没す。十二月、丁謂、雷州司戸参軍に徙す。

天聖八年（１０３０）

　十二月、丁謂、道州司戸参軍に徙す。

天聖十年・明道元年（１０３２）

　十一月、元を改める。詔して蘇州に没する所の丁謂の荘田を其の家に逐に給す、仍お其　の子前内殿承制?を以て供奉官となす。

明道二年（１０３３）

　三月、皇太后不豫を以て、大赦す。丁謂、秘書監を授け致仕す。

景祐四年（１０３７）

　閏四月、丁謂没す。